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薬剤師にも必要な【ポータブルスキル】     〜20代からのキャリア形成〜

薬剤師を取巻く環境の変化

2023年1月26日 電子処方箋がスタートし、今後オンラインでのやり取りが増えていくことは容易に想像できる。

また日本の人口が減少しているということに加え、スマホ普及率が約9割(総務省:令和3年通信利用動向調査の結果より)と、サービスを受ける側の環境がおよそ整っていることから、店舗に訪れるクライアントと共に、店舗で働くはスタッフは必然的に減っていくだろう。


そんな中、コロナ前とコロナ後という観点から、政治、社会、経済、技術に分類して薬剤師の環境を整理してみたい。(ビジネスではよく使われているPEST分析)


★コロナ前★

【政治】:オンライン服薬指導は一部特区のみ 0402通知

【経済】:各診療科とも定期的に受診することが当たり前で、安定した経済状況

【社会】:対面が基本の社会

【技術】:IT化と言われているが、業界的には進んでいない。

★コロナ後★

【政治】:オンライン診療、オンライン上服薬指導解禁、抗原検査キット販売許可、フォローアップ義務化、自宅での服薬指導解禁、リフィル処方箋導入、調剤外部

【経済】:受診控もあり赤字経営の医療機関増加。特に2020年は約4割の一般病院の医業利益がマイナス

【社会】:会議や飲み会などのオンライン化、デジタル社会、非対面の世界

【技術】:電子処方箋 オンライン資格確認システム原則義務化


薬剤師のフィールドは法律的な要素が多く、政治的要因が強い業界である。

国はテクノロジーを推進し、またその急速な進歩が合わさり、今後薬局DXはどんどん動いていくだろう。


今後…

薬局の実店舗に多くの薬剤師は必要なのか?!

薬剤師はどこかに所属する必要があるのか?!

今、6万件ある薬局は全店舗が必要なのか?!


今後は働く場所も自由に選べる時代が来ると思う。

一企業にずっと所属する、延いては所属させてくれる可能性はどれ程だろうか。


薬剤師は専売免許があるために、転職が多い業種である。

しかし0402通知や調剤外部委託となれば、薬剤師免許が使える場が薬局である必要性が薄くなり、今までのように転職先は選び放題。では無くなる可能性がある。


そのような環境に置かれている我々薬剤師が、身につけなければならないスキルとは何だろうか。


必要なスキルとは⁈

我々薬剤師に必要なスキル‥の前に。

あなたの勤務先は、あなたの何に対価を支払っているのか?を考えて欲しい。

薬剤師免許に?? それにプラスαあなただけのスキルに??


現在私は、MBAの学びを行なっている。

その学びの中で、正にこの問いに出くわした。


先の問いに対して私は、薬剤師免許を持っている上で、勤務先の企業理念のもと、企業戦略に即した人材として、対患者との関係造りができる人材への対価。だと考えているが、

MBAの講師の意見も仰いでみた。


 薬剤師免許だけあれば良いという企業もあるだろう。

 専門職なので、専門的な知識を買っているのかもしれない。

 しかしこのテクノロジー時代、情報は溢れている。

 ということは、知識というものはいずれ陳腐化していくだろう。

 さらに企業側が薬局を変化させたいと思うのであれば、私だったら知識がある薬剤師は雇 

 わない。過去どんなによい成果を上げていたとしても、それはただの結果で、うちの企業 

 でそれができるとは限らない。

 そこから何を学んだのかを自分なりに解釈し、抽象化して再現性を出せる状態にしている

 か? 失敗を失敗だと終わらせず、具体的な事象から抽象化させ、乗り越えるために必要な

 要素・足りない要素を学んだからこそ、次は成功できる!という思考を持っているかどう

 かをみる。

 意図として自分自身がポータブルスキルを身につけようとしているのか?

 陳腐化するものに執着していないか?


この言葉にハッとした。


例えば、話を聞いてくれない患者がいたとする。


その患者に対してどんな声を掛けたのか? 

どんな関係づくりを行ったのか?


その結果、患者にとってココが最良の場となった場合

たまたま上手く行っただけかもしれないし、

同じアプローチが、別の患者の場合でも再現性があるかもしれない。


採用の面から見るとこの話だけでは、今後は不採用にする企業があるのではないだろうか。


更に一歩踏み込んで、他の患者に対しても再現性があった。他の企業でも出来る様にするには?を考え、

どんなテクニシャンが側にいると再現性が上がるのか?

困難を乗り切ったキッカケは? など、薬剤師がスキルをポータブルにすることで、雇う企業とのマッチングに相違がなくなる。


次に、知識の陳腐化。

薬学的知識の陳腐化は、どの業界にもある。ひと昔前は正しかったことが、今や間違い。という事例。


もちろん薬剤師として、最新の正確な薬学的知識の習得は大切だ。

実際、薬学的知識はポータルスキルの一つと言える。

しかし、薬学的知識は業界特性が強いため業界以外では使えない場合もある。

実務で、その知識をどの位患者に還元できているだろうか。


せっかく得た知識をポータルできるスキルにすることで、あなたはより必要とされる。

知識とポータブルスキルの両輪で仕事をする事で、「薬剤師としての価値」は高くなると感じている。


昨今、メンバーシップ型(職務内容を限定しない・人に仕事をつける)の働き方を、ジョブ型(職務内容を明確化する・仕事に人をつける)にしよう!という話をよく耳にする。


そうなった場合でも、日本なりのジョブ型の働き方へ可能性は、このポータブルスキルを意識して仕事をすることにあると思う。

皆さんの薬剤師としての価値が高くなることを、切に願っている。

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